第九三昧。
2009-12-25


今年恒例の「第九三昧」でございます。

全集で未聴のものいっぱいあるから、それを聴こうかとも思ったけど、結局今のコンヴィチュニーみたいに他のが残っちゃう結果になるので、単品で聴いていない第九ってなかったっけ……て探したら、

レ ニ ー の 青 盤 が 3 つ も 。( 苦 笑

というわけで今年は「レニー第九三昧」の予定です。

まずは第一弾。
・バーンスタイン/BSO、アーロヨ(S)、チョーカジアン(Ms)、ルイス(T)、ポール(B)、タングルウッド音楽祭cho

70年のライヴ。
録音は少々デッドな感じだけど、聴き苦しいほどではない。
Timp.と金管が強めに聞こえるのも、曲の性格からするとマッチしていて良い。
特に後者はBSOの明るめの音が良い方に働いている、と思う。

全体の音楽作りは、当然のごとく終楽章に向かってまっしぐら、というか大きな頂点を作っていくオーソドックスなスタイル。
レニーの正規盤と比べるなら、60年代のNYP盤ほどあっさりでもなく、この約10年後に待つVPO盤ほど完熟していない、まさに真ん中って感じかな(89年盤は別次元なので比較からは除きます。苦笑)。

1楽章は葛藤や闘争の性格はもちろんあるのだけど、むしろその中で前向きにグングン進んでいこう!みたいな音が聞こえてくる。
BSOの音色にもよるのだろうけど。

自分の不勉強、というか記憶の弱さを恥じたのが2楽章。
この音盤ではホルン補強していて、それはそれで派手で面白いのだけど、他の録音でもしていたかどうかが全く記憶にない……。
レニーファン失格だな。(汗

3楽章はさすがにVPO盤の美しさに軍配を上げたいし、89年盤のあまりに深い(しかし流れないキライはある)世界とは勝負にならないかもしれないが、ほどよく適切なテンポ、と言う意味では「聞きやすくて」良いかも。

終楽章は、低弦で歓喜の主題が出るところのppがもの凄い。
青盤なので、録音が拾えていないだけかも知れないけど、フルトヴェングラー以上のかそけき呟きで、外で聴いてたら聴き取れないくらいだった。(苦笑

“steht vor Gott”をはっきり切って歌わせているのも印象的。
トルコマーチの前のフェルマータでは、きちんとTimp.がディミニエンドしている。
乾き気味の録音のおかげ?なのか、二重フーガの輪郭がくっきりしているのも嬉しい。
ここが錯綜している演奏って、ちょっと残念だからなぁ。

最後の加速も十分で、何て言うか全体通して「明るく前向きな」第九だな、って印象。
レニーの第九って、フルトヴェングラーのバイロイト盤ほどではないにせよ、特に89年盤なんて、もの凄く気合いを入れて聴かなきゃ、みたいな「縛り」が何となくあって、肩の力を抜いて聴けなかったから(そもそも第九がそういう曲なのだ、と言われればそうだけど)、青盤とはいえこういうスタイルの音盤は嬉しいかも。

同じく青盤、しかもBSOってのも同じ72年盤は、レビューなど見るともっと終楽章が盛り上がるらしいから、楽しみ(たぶん「第9三昧」その2)。
[Beethoven]
[レニー]

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