今年の第9三昧。
2010-12-31


今年の「第9三昧」は5音盤、まとめていくよー。

*カラヤン/BPO、ヤノヴィッツ(ソプラノ)、ヴァーグナー(コントラルト)、アルヴァ(テノール)、ヴィーナー(バリトン)、聖ヘドヴィヒ教会合唱団、RIAS室内合唱団

カラヤンは「IM TAKT DER ZEIT」シリーズの一枚。
1964年10月15日新フィルハーモニーホールこけら落としのライヴ。

1楽章は有りがちな「神秘性」をかなぐり捨て、疾風怒濤に突き進む、さすが60年代カラヤン。
2楽章はトリオが意外にゆっくりでハッとさせられる。
3楽章は想像通り(良い意味で)真水のように流れる。思索や瞑想と言った“おまけ”を切り捨てた潔さ。
うわ!終楽章冒頭のテンション高っ!
そして歓喜主題の前、パウゼ置かない、カラヤンスタイル。
昔は好きじゃなかったのに、今は「これカッコ良くね?」て思える。
そしてヤノヴィッツの美し過ぎる声。一番好きなソプラノですもん!
だからスタジオ盤も60年代のが一番好き。
ラストのクレッシェンド、爽快。

*バーンスタイン/BSO、マイヤー(S)、シモン(A)、ワイルダー(T)、バーバリアン(B)、タングルウッド音楽祭cho.

1972年の青盤。
2年前にもBSOとの青盤あるけど、かなり別物。
異様にハイテンション!(驚)
特に2楽章が怖いくらいの焦燥感。

*バーンスタイン/チェコフィル、ポップ(S)、トレチャル・ブルチャード(Ms)、オフマン(T)、コプチャーク(Bs)、チェコ・フィルハーモニーcho

有名なレニー最晩年、ベルリン壁崩壊の翌年の第9。
上記BSO盤とは(当たり前だけど)全然違う、最晩年の重み、深み。
でも2楽章の焦燥感に、共に通じる何かを感じるのも事実。不思議。
青盤らしいと言えばそうなんだけど、3楽章前のチューニングとソリスト入場も録音されてるのが、ちょっと笑える。

この第9、ソリスト陣の声質&歌唱が好みのタイプ。
というか、演奏全体のテンションも立派(レニーは相当体調悪かったはずなのに)。
「壁」の第9超えてる箇所もいくつかあるように感じる。
できれば正規音源で聴きたいなぁ……。

*ベーム&VPO、ジョーンズ(S)、トロヤノス(A)、トーマス(T)、リッダーブッシュ(B)、ウィーン国立歌劇場合唱団

何となく聴きたくなって、久しぶりに聴く。
3楽章。疲れた体と揺れる地下鉄にはつらい。眠り誘う。
第9、とりわけ終楽章を聴いてると「より高いものを求めて努力する」事の偉大さに、時折息苦しくさえなる。
翻って、己はどうかと。
易きに流れてばかりではないかと。情けない。

そしてホンマ数年ぶりにフルトヴェングラー&バイロイトの第9。
音は良くなくとも、やはり流れる空気は別格。
そう言えば、オルフェオの録音の方は音良いのかな。
終楽章の、低弦による前3楽章の否定から昇華を経て、まさに「生成」する歓喜主題が、めくるめく加速をする。ここはやっぱフルトヴェングラーが一番。
[Beethoven]
[レニー]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット